瞳にキッ☆男だらけの納涼大会〜







 ピカッ!ゴロゴロ…ドシャーン!!


 夏の夜。
 捜査本部となっているLのホテルで、渡された書類に目を通しているときのことだった。 
「…停電か。」
 しばらく闇に慣れず、目をしばたたく。その時、背後にリュークとは違う気配を感じて 僕は振り返った。
 

 ピカッ!


「……」
 閃光に、もぞもぞと蠢く目ばかりの物体が照らし出され…

 
「うわあああああ!何かいるーーーーーー!!」
「月くん、私です」


 …Lだった…


「脅かすな!どこの妖怪かと思ったよ!!」
暗闇の中に二人…もうこうなったらやることは一つですねv」


 聞いてないし…っていうか、
 っていうか何で両手をかかげてにじり寄ってくるんだ!!?
 その格好が妖怪っぽいんだよ!!

「大丈夫ですかー」
 そこへ、松田さんがひょっこりと顔を出した。

「松井さん!」
 僕は松田さんに駆け寄った。

                                    L「…余計なところに…」
                


絹を裂くような悲鳴が聞こえたんですが…もしかして月くん?」
「…そ、それは…妖怪が…」
 僕は言いかけて黙った。Lに脅かされてビビッたなんて口が裂けても言えない。。


 くそ、屈辱だ…!


「妖怪??怪談ですか?」
 松田さんは明るく笑った。

「夏っぽいですねー。」
「怪談…」
 Lは首を傾げた。

「怖い話ですか?」

「そうです。怖い話をして涼しくなるという、日本の伝統的な納涼の方法です。」
 松田さんが親切に解説する。
「本式には、百本のろうそくを灯して ひとつ話が終わるごとに一本ずつ消していって、百本目が消えたときに、
 恐ろしいことが起こる…っていう。まあ、言い伝えですよ。」

「面白そうですね。」
 ふんふん、と興味深げなL。


 その時、僕はあることを思いついた。

…やってみる?もっとも、百話は無理だろうけど 一人一話ずつ、てことで。」


 ふ…面白がっていられるのも今のうちだ、L。
 今のお返しに、ひっくり返るほどビビらせてやる!!!




「さて…誰から話しますか?」
「そうだな…いいよ、竜崎。おまえから話せ。」

 松田さんが遠慮がちに言った。
「え…と…;何で僕も入ってるんですか?」


「これも職務の内です松井さん。」

「…はい…(り、竜崎が何か怖い…)」



〜Lの話〜


「怖い話ですか…恐怖を感じたときの話、と言うことですよね」
「…体験談でもいいけど、人から聞いた話でもいいよ。」
「そうですね…以前 アメリカのノースキャロライナ州に行った時のことです。」


 その時私は、とある事件を追っていました。畑の中に首なし死体が発見されるというのです。


「…なかなか怖そうな話だな…」
「ですね…」


 私は被害者の行動や、失踪時の状況などを細かく調べ、犯人が現れるであろう場所や時刻を予想して張り込んでいました。
 

「さすが竜崎ですね!」
「それで?」


 …時間になりましたが、一向に人の現れる気配はありません。
 その時、突然銀色の光が私を上空から包み込み、…



「「UFO―――!?」」



「彼らは私の頭の中に語りかけ…」



 め…眼がヤバい!!



「も…もういいです!」
「真剣に怖いよ竜崎!」 


「あれ?もういいのですか?恐怖を感じるのはこれからなんですが
「怖いのはお前自身だよ;」



〜月の話〜


「じゃ、僕の番だね。」


「第二次世界大戦の頃のこと…」
「時代設定が既に怖いですね;」


 母ひとり、子一人の親子が居た。父親は戦死してしまい、二人の生活は苦しかった。


「あの頃は大変だったんですよね…」


 日々 戦況が苦しくなる中、食べるものといえば配給制の米や芋ばかり。


「…」
「竜崎?」



 来る日も来る日も芋ばかり…その内空襲が酷くなり、配給も止まった。
 
砂糖や甘いものなんて望むべくも無く、少年は日々草の根を食べて生きていた…
 そう、彼にとっては
世界から甘いものが一切消えてしまったかのようだった…!



 ガタアアアン!

「竜崎―!?」



「な 何て怖い話なんでしょう!!!!」

「ええ!!?これがーーーーー!?」


 (勝った!!)



 
〜松田の話〜



「竜崎限定の怖い話されても…」
「はは、ごめんごめん松井さん。つい…」
「本当、酷いですよ月くん…ああ、怖かった…」 
「…」


「じゃあ次は松井さんの番ですね。」
「ええ〜 僕自信無いなあ…」


 これは僕が小学生のときの話なんですが…比較的近所にお化け屋敷だと有名な場所がありまして。


「ホーンテッドマンションですか」
「そんなところじゃない?スタンダードだね」
 

 …山奥の廃病院なんですが、ガラスとか割れてるしそんな雰囲気たっぷりなんですよ。
 もちろん立ち入り禁止になってて…でも、子供ってそういうところ行きたがるでしょう、男の子なんて特に。
 で、僕も友達と一緒に肝試しに出かけたんですよ。二歳上の、トシ君という人でした。



「幽霊は居ましたか?」
「話を聞けよ、これからいいとこなんだから。」


 ところが…病院に着くと、僕は突然お腹が痛くなったんです。トシ君は独りで中に入っていきました。


「トシ君は死んだ!?」
「勝手に殺すなよ;」



 トシ君は無事でした…しかし、その日の夜…僕は原因不明の熱を出し、それから…


「死んだ!!?」
「いや、今現在目の前に生きてるから!」


 霊感が強くなってしまったのです。



「こうしててもですねー、いろいろ見えるんですよ。
 えっとこのホテルの角部屋に自殺者の霊が3人、ロビーに地縛霊5人、あとこのフロアは…」




「「待ったーーーー!!!」」



「参りましたね 本物ですか…」
「松井さんもういいです、そこまでで;」


「そう?」
 松田さんは無邪気に笑った。

「そういや月くんの背後にもね、」


 !ま まさか…


「何だか凄いビジュアル系の「うわあああああ!」

 聞くなああああ!僕は思わずLに倒れ掛かった。



 ガッタアアアン☆          
                      リューク 『ウホッ…』




「…ご、ごめんね月くん、そんなに怖がるとは思わなくて…」
「…い…いえ、僕こそ 取り乱しすぎました」


 …僕は竜崎もろとも転倒していた。


 くそ、こんなはずでは…

              …まあいい。今日のところは引き分けだ、竜崎!!

                            リューク 『…一勝二敗じゃないのか??』






震える月くんをこの腕にグッジョブです松井さん
「??(機嫌が直った…)何かよく解らないですがお役に立てて嬉しいです竜崎。」












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 やったもん勝ちネタ。お馬鹿ですいません…松田さんは天然で。
 




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