魅 にする 一 つて。






夜神月


 その名を耳にして 私は立ち上がりかけたラウンジの椅子にもう一度腰掛けた。

「もーーーチョーかっこいい!」
「あーでも絶対競争率高そう!」
「信じられなーい もう、素敵すぎ!」

 背後に座った彼女たちは、おそらく同じ学科の女子だろう。
 噂話に興じて、私には気づいていないようだ。
 私はそろそろとひざを抱え、あごを引くと いつもの姿勢をとった。耳だけはことさらに澄まして。

「彼女とか居るのかなー」
「居そう居そう」

 一応現在は特定の相手は居ないようですよ

「どんな子が好みなんだろ?」
「やっぱお嬢様かな??」

 それはイイ線行ってます 
 ただ とても妹思いのようなので、年下の方がモアベターかもしれませんが

「犬飼ってそう!」
「ああー似合うにあう、大きなふかふかの犬とかね!」

 残念ですが盗聴した限りでは夜神家にペットは居ないようです

「勉強とかさーしなそうだよね、あそこまで完璧だと」
「首席だもんね!」

 ……さすがに受験勉強はかなり熱心になさっておられましたよ

「エロ本とかさー見なそうだよね、あそこまで完璧だと」
「見ない見ない、必要無いよ」

 …………必要に迫られていたかどうかはともかく、しっかりご覧になってましたよ

「トイレとかさー行かなそうだよね、あそこまで完璧だと」
「ああ、かっこいいい!」

…………………………・

「……行かないわけ無いと思いますが…・」

「きゃああああ!」
 女性たちは突然話にわりこんできた私に悲鳴を上げた。

「すみません。お聞きしたいことがありまして。」
 私は頭を掻いた。





『おい、ライト』
「何だい?リューク」
『あいつがいるぞ』
「…ああ、流河…」
 げ。
 僕はわが目を疑った。
 あの 学内に友人と呼べる人物はおそらく僕一人か否か、という流河が。

 奇人変人と噂の高い流河が、女の子に囲まれている…!?

 しかも何気に話が弾んでいるみたいだ。
 勿論、彼はどちらかといえば目立つほうだ。いや、目立ちすぎて一緒に居たくないくらいだ。
 そんな彼に興味を持って近づく子もいるだろう・・・いるかもれない、多分・・・

 っていうか女の子と話すときもあの座り方かよ!

 世にも珍しい光景を前に しばし凍っていると、やがて女の子の方から僕の方に気が付いて手を振った。

「夜神くーん、こっち来ない?」
「はは…」
 
 僕は平静を保ちながら彼女たちに近寄った。
「こんにちは夜神くん」
「やあ、流河。モテてるじゃないか」
「いいえ、彼女たちはみな夜神くんのファンだそうですよ」
「やだあ流河くん言わないって言ったじゃなーい」
 と 彼女たちは恥らい、僕は余裕の微笑を返す。
「冗談でも嬉しいよ。」
 
「いえ。冗談ではありませんよ。」
 流河は言った。

「今後の参考になれば良いと思いまして、いろいろと彼女たちの夜神くんについての認識をお伺いしていたのですが」

 流河はその暗い瞳をくるりと回し、僕を見据えた。

「彼女たちは、夜神くんの 確固たる信念自信に満ち溢れて、
                 何かとてつもなく大きな目標を持っていそうな、
                 世界を変える可能性すら感じさせるところが
                                               好きだそうですよ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へえ」
 僕はかろうじて彼女たちに笑みを返した。
「光栄だけど、少しばかりオーバーかもね」

「えー、夜神くんなら不可能はないって感じ!」
「ねー」

 流河が僕を見上げる。
「私もそう思いますよ?夜神くん。」
 そして 流河は、 彼女たちに聞こえないよう こう、囁いた。





    いずれにせよ、今後の参考にさせていただきます。













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 ぶっちゃけ 恋する乙女の想像力というか洞察力って物凄いというお話・夜神くんがお風呂に入るときにどこから洗うかまで知り尽くしている(?)Lのことです、
 今さら情報収集なんて必要ないっぽいですが。。L、女の子たちとライトのかっこよさについてきゃいきゃい言ってたかと思うと 可愛いです。。







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