からっ ぽ 。
ドアを開けると、そこにはただ どこまでも砂と青空が広がっている不思議な空間があった。
非常識なまでに丁寧な仕草でぼくを出迎えたのは 彼 だった。
彼というのは彼のことだ。ぼくは彼の名を知らない、かつては知りたいと渇望したこともあったけれどそんなことは今となってはもうどうでもよかった。
そんなことよりも彼は何故このような熱砂の中暑苦しい長袖など着ているのだろう何故汗一つかかないのだろう何故彼の目はまばたきもせずこちらを凝視しているのだろう太陽の光にじりじりと焦がされ今にも火を点じそうな暗い深淵。
何故
彼が
存在
する
のだ
ろう
?
狂っている、ありえない、全てが信じられないほどに非現実的だ。そう言うぼくの胸を指差し彼が笑った
―そういうあなたの心も、なぜそんなにぽっかりと空いているのです
言われてみれば何と見事なぼくの空洞。
向こうが覗けてしまえそうだ。
笑いながら彼がぼくの胸に手を伸ばす、やめろ、やめてくれ、余計なことはするな。これを埋めようなどと考えるな。そんなことは無理だ、どだい無理な話だったんだ。どうしてぼくは夢見てしまったのだろう、一瞬でも期待してしまったのだろう、あるいはお前なら…、と。
そう、この空洞こそがぼくの真実、ぼくを構成するただ一つのまったきもの。
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夢ですら、こんなにも空虚。
実は月はLの名前を知ってるかもしれない(レムのノート持ってるから)けどまあいいや。
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