「キラを捕まえたら…どうする?」

 唐突な質問に、流河は僕の表情を探るように伺い見た。
 
「どうする とは。」
「だから…流河は…どうする?キラに対して。」
「別に何も。」
「何も?」

「直接的にはどうもしない…いや、どうにもできないでしょうね。」

「へえ。」
 僕は口元を笑みの形に歪めた。
「死刑台には送っても、殴ってやろうとも思わないの?」

「仕方ないです。」
 彼は言った。僕の瞳をひたりと見据えながら。

「私は警察ですら無い。
 彼を捕らえることはできても、それ以上何もできない。
 彼は司法の手に委ねられ、民意によって裁かれるでしょう。
 私が直接断罪することは不可能なのです。
 …私は無力なのですよ、れることすらできぬほど。」

 長い沈黙の後、僕は 言った。

「じゃあ流河の目的は、キラを 捕まえることだけ??」

「今のところはそうですね。」
「そうして自分の手を汚さずに キラを死刑台へ送り込もうって?」
「そういうことになります」
「虫のいい話だね。」
「さしずめ、私のやっていることはキラと同じかもしれません」
 流河は淡々と言った。
「犯罪者を死に追いやり 自分は遠くから勝利の美酒に酔いしれる。
 決して自ら手を下すことはなく。」

「…そう。」

 それって

                だね。

 
 と 
 言ってしまいそうになって 僕は 顔を背けた。
  
 すると、流河がぽつりと呟いた。

「最悪です」

 思わず見詰めた流河の無表情な顔が その時はなぜか とても哀しそうに見えて 僕は。
 








                 法や社会や世論の裁きをただ待って麻痺していく自分を生かされるよりも    
                 そのような緩慢な精神の死を待つよりもせめて僕は君に殺されたいせめて
                 その時は君に。












.....................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................

 世間すら敵に回して心中すれば良いと思います。
 天の網島大長寺、曽根崎の森でなくとも、死に場所は自分で決めるが宜しいかと。









SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送