〜あらすじ〜
松田が拾ってきた「町内盆踊り大会」のチラシを見たLこと竜崎は、そこにあげられた駄菓子の数々と、まだ見ぬ月の浴衣姿という二つの煩悩の狭間で猛烈に揺れていた。一方、「りんごあめ」の存在を知ったリュークは、さりげなく七夕の短冊に「りんごあめが食べたい」と書くなど月へのアピールを続けていたが…!?
シャル・ウィ・ ボン☆ダンス?
「やだよ、人ごみは嫌いなんだ」
「安心してください、私も嫌いですから」
「その事実のどこに安心の要素がある!」
「皆で嫌えば怖くないって言うじゃないですか」
「怖いから嫌いなんじゃない!うっとおしいんだよ!!」
「…浴衣でボンダンス…ひと夏のメモリー…いいじゃないですか…」
何か今、おかしな単語が混じっていたような気もしたが、とりあえずそれには触れないことにして月は言った。
「…ダンスって言うなよ!気分が出ないだろ」
「何をおっしゃいます。ボンダンスと言えば、南米にまで広まっている世界的に認識されたトラディショナル・ダンスではありませんか」
「そうなの!?」
「とにかく、日本の伝統的なフェスティバルは、後学のために一度見ておきたいと思っていたのですが」
「僕は行くつもりは…」
「わぁお祭りですか!?ぼく得意中の得意ですよー!!」
「松田…さん」
「…お祭りが得意、とはまたユニークな日本語ですね」
「あっ、何ですか竜崎その顔は!本当ですよ!署内一のお祭り野郎 の名をほしいままですから!」
「ははっ松田さんそれはオメデタイっていう意味ですね!」
「さすが、脳内がお祭りな方は受け取り方も一味違いますね」
「お前達…たとえ本当のことでもいっていいことと悪いことがあるんだぞ…」
「局長…!ありがとうございます!」
「いや松田さん、そこは感激するところじゃないから…」
やんわりとどめを指す月であった…。
「とにかく僕は行かないぞ!行くなら松田さんと竜崎の二人で行って来い!」
「そんな!何が悲しくて松田さんと二人っきりで浴衣デートなんですか!」
「ぼ、ぼくだって竜崎と二人きりで行動なんてそんなおそろし…そんな…大任は…」
「何ですか松田さん私に不満でも…?」
リューク「なあ、りんごあめー」
「誰と誰がデートだ!?行っておくがぼくは浴衣なんて着ない!」
「そ、そんな!テニスのときは必要以上に張り切ってらしたのに☆」
リューク「りんごあめ…」
「う、うるさい!関係ないだろ!あれは大体お前がやる気無さすぎなんだよ!」
「じゃあ浴衣はともかくこの わたあめ とか かきごおり とか りんご…」
リューク「………りんごあめ………」
「りんごあめりんごあめうるさいぞリュー…」
…しまった。
「…ざき…」
「…すいません。でもりんごあめは一回しか言ってませんが…」
「そ、そうだな…」
結局、収拾のつかない三人に、総一郎がため息をつきつつ判断を下したのであった。
「…月、松田と竜崎を連れて行ってあげなさい…」
*
盆踊り大会当日。
「月くん…浴衣ではないのですね…」
「当たり前だろ。ちょっと覗いたらすぐ帰るぞ、父さん達は仕事をしているんだ」
リューク「おれはとりあえずりんごあめが食えればいいや」
「…あんずあめとか、りんごあめとか…お菓子は、後でな」
「はい」
しかし、松田が来ない。
「どうしたんだろう?松田さん、遅れるという連絡も入ってないけど…」
「…月くんそんなことよりわたし甘いものが食べたくて死にそうなんですが」
「死んでもいいぞ。…とにかくもうちょっと待て。松田さんに連絡してみるから」
携帯も、かからない。
「…そろそろ約束の時間から一時間が経過いたしますが、月くん…」
「…そうだね…」
父から松田さんの面倒も任されているがしょうがない、彼は来なかったと報告してこの場は動こうか、と月が考えたとき。
「お待たせしました!」
走ってきた松田は、浴衣にぞうりにお面に団扇と、いわば全身フル祭り装備でやってきた。
「…日本人はもっと時間に几帳面だと思っていましたが」
「…松田さん、さっき電話を何度もかけたんですけど…」
「あれっほんとだ!うっわーすいませーん、全然気づかなかった!」
「…松田さん…」
「いやーこっちからもメール入れたんですけど電波悪くて届かなかったみたいですね☆アッハッハ!」
それにしても、と松田は言った。
「着信全部月くんだなんて、恋人みたいですね〜」
「松田…死にますか…?」
「…よせよ、たとえ松田さんなんかのせいで貴重な一時間が費やされたとしても、松田さんを責めても時間は戻ってこないだろ。
この際 松田さんのおかげでこの上なくイライラするという体験ができた くらい前向きに考えるべきだ。」
二人の嫌味(一部恫喝)にも動じず、松田は言った。
「いや〜その甲斐あって、浴衣もバッチリです!さっき思い立ってUニクロで買ってきてよかったですよ〜」
だ か ら 遅 れ た の か 。
一通り殺意をあおった松田に、竜崎はふっと息を付き、言った。
「…では準備も整ったところでやる気十分の松田さんにプレゼントがあります」
「えっVありがとうございます!!」
竜崎はごそごそと何かを取り出した。
「ワタリの考案したボンダンサー養成ギプス!!」
月(うわぁ!?)
「うわーちょっとかっこいいかも…!やってみてもいいですか?」
月(!!喜んでる…!?)
「予想通りの反応ですね松田さん。ではどうぞ、これで思う存分踊りまくってください」
「わーい!ありがとうございます!月くんのぶんは?ぼくなんかでいいんですか??」
「…いや、なんていうか…日本人でもない人間が盆踊りに関して作ったギプスなんて信用できないから、ぼくはいいんですよ」
「いやいや、ワタリはかのカリスマ振り付け師、D−ク更家に教えを乞うたこともあるのですよ」
「なおさら信用できない!」
「よーし、ベスト盆踊リスト目指して頑張るぞー!」
リューク「…すごいやる気になってるやつも約一名いるが…」
「…いいですか、ギプス付属のイヤホンの教えに沿って踊るようになっています」
「こ…こうですね!」
ぎこちなく踊りだす松田に、Lが付け加えた。
「ちなみにステップに失敗したら爆発するように作ってあります。気合合入れて踊ってください。」
「は!!?」
「なるほど…ボンとBOM(爆弾)をかけたのか…!」
「いや感心してる場合じゃないから月くん!!た、たすけ…!」
あ。
ボッカーン!
「ああ、松田さんが… た〜まや〜 」
リューク「!!ひ、ひでえ!」
「何気に花火仕様とは、ワタリもやりますね」
「ああ…なかなかの風情だ」
「では踊る阿呆は放っておいて、賢い私達はわたあめでも買いにいきましょうか」
「お前な…それしか無いのか…」
呆れる月に、Lは言った。
「当たり前です。エネルギーを消費するのは頭脳だけで十分ですよ」
それより、と Lは言った。
「…月くんこそ、実は、私と 二人きりになりたかったんでしょう?」
「……まあ、そういう気持ちも、あったかもしれないということにはやぶさかではないな」
その後、本部へのお土産と称して りんごあめを大量購入する月が居たらしい。
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いつの話だとか聞かないでください。盆踊りも詳しくないのでもう適当☆ザ☆マックスです。
でも南米でボンダンスが有名なのはほんとです。
何度書いても冒頭がうまくいかないのでいっそあらすじ形式で。手抜きです。すいません。
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