ところでお前はいつも皮肉な笑みでぼくの意見を打ち消してくれたね、ぼくを否定しつくしてくれたね、
否定するのは肯定するより難しい、お前がおまえだけがそうやってぼくに肉薄しようとしてくれた、ぼくを真実見出そうとしてくれた、
そのことに今はとても感謝している。
僕を救ってくれなかった君へ
退 屈 は 諸 悪 の 根 源 。
『そもそも退屈じゃなければ、神様だって人間なんて作んなかった、
そしたら今だってエデンは平和だったに違いない…
傷つける人も居なければ傷つけられる人も居ない、素晴らしい世界が続いていたに違いないんだ』
退屈じゃなければ世の主婦たちは不倫なんてしないだろうし
退屈じゃなければ世のコドモたちだってクスリなんかに手を出さない、
退屈じゃなければ人は自殺なんかしない(戦時下の自殺率は低下する)
退屈じゃなければぼくだってこんなこと…
「こんなこと」、それは裁き、それは福音、それは神の救い…
いつ、遊びが遊びじゃなくなったのかもう思い出せない。
あるいは最初からそれは遊びなんかじゃなかったのかもしれない。
『不穏と不和と裏切りに満ちていても、人が人を傷つけても、それでもやはり、
私は、
この世界を、
素晴らしいと思います』
そうだね、
ああ、
ほんとうに、感謝している…
お前に、お前の言葉に、お前の言う素晴らしい世界に寄せて。
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それでも、
生きていたということ、
存在したということ、
そこにきみがいたということ、
わたしたちは出会ったのだということ全てに、感謝します。
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